2025年11月、ジャストシステムは日本語入力ソフト「ATOK Passport」の個人向けプランを統合し、ATOK Passport[プレミアム]に一本化すると発表しました。
これにより、従来の「ベーシックプラン」や「ATOK for Windows/ATOK for Mac の旧月額版」、「旧ATOK for Android 月額版」は順次終了し、今後もATOKを使い続けたい場合は、プレミアムプランへの移行や新規契約が必要になります。
新しい料金プランは次の通りです。
- 月額:660円(税込)
- 年額:7,920円(税込)(月額660円 × 12カ月で割引はありません)
これまで月330円程度で使っていた人にとっては、「月660円でアップ」という印象もあり、少し不安になる変化ですよね。
この記事では、ATOK Passport プレミアムの特徴と、無料で使える日本語入力ソフトの代表的な選択肢を整理しながら、「続けるか」「乗り換えるか」の判断のヒントをお届けします。
- ATOK Passport プレミアムって、どんなサービス?
- 実際に何が変わる?旧プランの終了と移行スケジュール
- 1.ATOK Passport ベーシック(Just MyShop経由)を使っている人
- 2.ATOK for Windows/ATOK for Mac 月額版を使っている人
- 3.旧ATOK for Android 月額版を使っている人
- ATOKの強み:月660円を払う意味って?
- 無料で使える日本語入力ソフトって?
- ① Google日本語入力(Windows/macOS)
- ② Microsoft 日本語IME(Windows標準)
- ③ Apple 日本語入力(macOS標準)
- 違いをざっくり整理:ATOKと無料IME
- まとめ:ATOKを続けるか、無料IMEに乗り換えるか
ATOK Passport プレミアムって、どんなサービス?
ATOK Passport プレミアムは、個人向けのATOKを一本化したサブスクリプション型の日本語入力ソフトです。
主な対応環境は次の通りです。
- Windows
- macOS
- iOS(ATOK for iOS[Professional])
- Android(ATOK for Android[Professional])
パソコンだけでなく、スマホと一緒に「同じ感覚で日本語を入力したい」人向けの設計になっています。
ATOKは、単に変換できるソフトではなく、「文章を作りやすい」ことを意識した入力支援ツールです。特徴をざっくり整理すると、次のようなイメージです。
- 文脈予測変換
一単語単位ではなく、文全体の流れを見て変換候補を出してくれるため、長い文章を書くときに「何度も直す手間」が減りやすいです。 - 辞書学習機能
自分がよく使う表現や用語を覚えさせると、同じような文面になると、自然な形で変換しやすくなります。 - 専門語・固有名詞の登録と同期
会社名や商品名、専門用語などを辞書に登録すれば、複数端末で同じように変換できます。
今後は生成AIを活用した新しい機能「ATOK MiRA」の提供も予定されており、「入力をサポートするだけ」から「文章作り全体を支えるツール」へと進化していく可能性があります。
実際に何が変わる?旧プランの終了と移行スケジュール

ATOK Passport [ベーシック] へのコース変更は受付終了
「値上げ」と聞くと抵抗感がありますが、どのプランを使っていたかによって、自分の身に起きることは少しずつ変わります。
1.ATOK Passport ベーシック(Just MyShop経由)を使っている人
- 2026年1月8日〜1月末
プラグイン側で自動的に「ATOK Passport[プレミアム]」扱いになりますが、この期間は月額はこれまで通り330円(税込)で据え置きです。
いわば、「プレミアムの機能を試しながら、料金は変えない」というお試し期間のような形です。 - 2026年2月1日以降
月額料金が660円(税込)に変更され、プレミアムとして自動継続課金されます。
解約しない限りこのまま進むので、「本当にこのまま使うのか?」をこのタイミングで一度振り返るのがおすすめです。
もともと330円で使っていた人にとっては、「2月から実質あがる」と感じやすく、大きな変化になります。
2.ATOK for Windows/ATOK for Mac 月額版を使っている人
- 2026年1月31日まで
これまで通り月額330円前後で利用はできます。 - 2026年2月以降
旧月額版サービスは終了し、そのままではATOKとして使えなくなります。
今後も使いたい場合は、別途 ATOK Passport プレミアム を契約する必要があります。
Windows/Mac で長年ATOKを使ってきた人にとっては、「いつの間にか使えなくなっていた」にならないよう、ぜひ日付だけでも意識しておきたいポイントです。
3.旧ATOK for Android 月額版を使っている人
- 旧ATOK for Android の月額版は、2025年12月24日以降の更新ができなくなり、提供終了の流れになっています。
- 今後は Android 向けに「ATOK for Android[Professional]」(ATOK Passport プレミアム対象)が基本となり、ATOKを使い続けたい人はこの形で契約することになります。
細かい条件や移行方法は、ジャストシステムの公式サイトにある「新プランのご案内」や各旧プラン向けのお知らせページを確認してみると安心です。
ATOKの強み:月660円を払う意味って?
結局「660円を払う価値があるのか」は、自分の使い方次第ですが、向いている人はかなりはっきりしています。
まさに次のような人に役立ちやすいです。
- 長文をよく書く人
ブログ記事、コラム、レポート、原稿作成など、「何百〜数千字の日本語」を打つ機会が多い人は、文脈予測や辞書学習があると、入力の負担がグッと減ります。 - 専門用語や固有名詞が多めの人
IT、医療、法律、設計、クリエイティブなど、職業的に使う用語が独特な人は、一度辞書に登録すれば、その後はずっとラクになります。 - PCとスマホを両方使う人
ATOK Sync Oneなどの仕組みで、辞書や学習の履歴を複数端末で共有できるため、「自宅PC」「仕事用ノート」「スマホ」で同じ感覚で打てるのも魅力です。
新しい生成AI機能「ATOK MiRA」が定着すれば、「入力+文章を少し整えてくれる」並びのサポートも得られ、660円は「文章作り全体への投資」として見えてきやすいでしょう。
無料で使える日本語入力ソフトって?
一方で、「そこまで凝っていない」「毎月のサブスクを少しだけでも抑えたい」と感じている人もいるはずです。そんなときは、無料のIMEを使う選択肢が十分現実的です。
代表的な無料IMEを整理してみます。
① Google日本語入力(Windows/macOS)
- 価格:無料
- 対応OS:Windows 10以降、macOS対応(詳しい最低バージョンは公式サイトで要確認)
特徴としては、
- 新語やネットスラング、サービス名への対応が比較的早い
- Googleアカウントと連携すれば、ある程度までPC間で辞書を共有しやすい
などがあり、メール・チャット・ブログ執筆といった日常的な用途に対しては、かなり手ごたえのある性能です。
AppleシリコンMac(M1/M2など)については、現時点ではインテル版アプリをRosetta経由で動かしている形が多く、「Rosettaで動くけど、正式なAppleシリコン版とは明言されていない」といえるレベルです。とても幅広く使われているので、気になる場合は一度試してみるとよいでしょう。
② Microsoft 日本語IME(Windows標準)
- 価格:無料(Windowsに標準搭載)
- 対応OS:主に Windows 10/11
Windowsをセットアップすれば、初期状態から日本語入力が可能です。
- 追加インストール不要
- ユーザ辞書登録の機能があり、業務用の単語を拾いやすくできることもある
といった点が基本であり、多くの会社PCでも「特に入力を支出しなくてもOK」なスタンダードバージョンとなっています。
高機能な拡張は多くありませんが、日常的なメールや資料作成・Web閲覧には十分な性能です。
③ Apple 日本語入力(macOS標準)
- 価格:無料(macOS標準搭載)
- 対応OS:macOS全般
Macに最初から入っている日本語入力です。
- システムとの統合性が高く、レスポンスもスムーズ
- ユーザ辞書を別に管理でき、他IMEから辞書を移してくるツールもいくつかある
という特徴があり、iPhone/iPadと組み合わせてApple製品をよく使う人にとっては、「わざわざ別のソフトを入れなくても十分」な前提環境を作りやすいです。
違いをざっくり整理:ATOKと無料IME
使い勝手のイメージをもっとシンプルに捉えるために、ざっくりと表にしてみました。
| ソフト名 | 月額イメージ | 主な対応OS | こういう人に向いてます(イメージ) |
|---|---|---|---|
| ATOK Passport プレミアム | 660円(税込) | Windows/macOS/iOS/Android | 長文や専門用語で、複数端末で同じ入力感を重視したい人 |
| Google日本語入力 | 無料 | Windows/macOS | 日常使いでより賢い変換を使い、多少辞書を共有したい人 |
| Microsoft 日本語IME | 無料(Windows標準) | Windows 10/11 | Windows中心で、特別なソフトを入れたくない人 |
| Apple 日本語入力 | 無料(macOS標準) | macOS | MacとiPhone/iPadを組み合わせて使っている人、標準で充分快適な人 |
まとめ:ATOKを続けるか、無料IMEに乗り換えるか

ATOK Passport の統一によって、個人向けのATOKは月額660円のプレミアムプランが基本になりました。これにより、元々330円で使っていた人にとっては「実質2倍」と感じられることもあり、少しこだわりましょう。
- 長文原稿やブログ・レポート作りが多く、辞書学習&変換精度に価値を感じる人
- 専門用語や固有名語が多く、誤変換をそのままにできない環境の人が多い人
- PCとスマホを両方使い、「同じ入力感で続けたい」人が重視される人
にとっては、ATOK Passport プレミアムに660円を払うことで、「文章作成の負担が大きく減る」というメリットは十分期待できます。
一方、
- メールやチャット、Web閲覧など短めの入力が中心
- とくに長文を書く機会が少ない
- Windowsやmacの標準IMEで、大きな不便を感じていない
という人にとっては、Microsoft 日本語IMEやApple 日本語入力、あるいはGoogle日本語入力といった無料IMEに切り替えたり、そのまま使い続けたりするのが、自然な選択肢になります。
今回の変更は、「これまでなんとなく使っていた入力環境を、一度立ち止まって見直す」良い機会です。ATOKを使うにしても、無料IMEを選ぶにしても、「毎日の文章作りがいちばんラクになる組み合わせ」を選ぶことが、いちばんしっくりきそうです。


